ビフォーアフター

工事基本情報

点検の様子

　ご相談を受けて早速現地に伺います。定期的に点検は行っていたようなので、瓦屋根の並びの状態は非常に綺麗です。瓦屋根のメンテナンスをする際の目安は、約15年ごとに漆喰補修と瓦の並びの締め直しや防水紙の劣化に合わせて葺き直し工事を行うのが良いでしょう。
　瓦屋根は他の屋根材に比べてかなり寿命が長いですが、メンテナンスフリーではありません。瓦自体は大変頑丈ですが、紫外線に強く当たる為に歪み、経年で瓦同士に隙間が出来ます。

　こちらの屋根はコーキングで瓦屋根を固定するラバーロック工法が施工されていました。ラバーロック工法によって強固な屋根にする事が可能ですが、デメリットが大きい工法です。そして、正しく施工しないと雨漏りや破損に繋がる恐れがあります。
　本来であれば平瓦の部分には山側と下の角をL型に施工するのが正しい施工方法です。瓦の固定と軒下の換気性が確保でき、雨水の流れを邪魔しません。しかしこちらの屋根の様に平瓦の下端全体をラバーロックしてしまうと雨水の流れを止め、防水紙は傷み、毛細管現象により雨漏りを引き起こしてしまいます。また防水紙の状態を確認しようにも、ラバーロックされていると、取り外しが容易ではなく外す際に瓦が割れる事もあります。

　次に漆喰部分を確認していきます。瓦は頑丈ですが、地震や風の影響による建物の揺れで剥がれたり破損したりする場合があります。漆喰が剥がれた場合、内部の泥が露出し、雨水を染み込ませ雨漏りに至るケースがるので注意が必要です。
　ある程度築年数が経過しているお住まいで、屋根の上に漆喰とみられる白い塊が乗っているケースがあります。漆喰の劣化によって瓦の動き幅も大きくなり、瓦の歪みにも発展する可能性もありますので要チェックです。

　こちらのお住まいの場合ですと、瓦を差し替えたり葺き直したりすることは可能なのですが、ラバーロック工法によって瓦の取り外しが難しく、瓦の再利用も困難です。地震への備えとしても屋根の軽量化は非常に有効で、柱や基礎の工事に比べて手軽です。
　お客様にその旨ご説明し、この際屋根を軽量化したいとのご要望を伺いましたので、屋根葺き直し行為を実施する事に致しました。

葺き替え工事の様子

　工事開始です。まずは瓦を降ろしていきます。瓦は30坪程度の屋根に約2,000枚、6,000㎏が乗っています。瓦の葺き替え工事の最大の欠点は費用で、今まで屋根に乗っていたものを撤去・処分するため、カバー工事や葺き直し工事よりもどうしても多く費用がかかってしまいます。

　いつできたかは定かではありませんが、防水紙に穴が空いています。この様な状態では雨漏りが発生するのに違和感はありません。全ての屋根材を剥がし全体を確認できるのは葺き替え工事のメリットといえます。

　下地も劣化していますので、補強を行います。

　次に防水紙を貼り重ねていきます。この防水紙にも種類があり、アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの２種類に分けられます。今回使用するカッパ23は改質アスファルトルーフィングです。通常のアスファルトルーフィングにポリマー・天然アスファルトを加え流動性・摩耗性・剥離性・付着性・たわみ追従性を向上させたのが改質アスファルトルーフィングです。タッカーで止める際に出来る穴の周りを塞いでいくこちらは、通常のものよりも高性能です。防水紙は浸水を防ぐ要なので、出来れば良いものを使用したいですね。

　防水紙の貼り重ねが終わったら、続いて屋根材を葺いて行きます。使用する屋根材はコロニアルクァッドです。メンテナンスを出来るだけしなくても良い屋根材や断熱材付きの金属屋根材、耐久性の高いものなど様々ありますので、今後どれだけ住む予定なのかや、立て直しをする予定があるのかなどを踏まえて選択することが大切です。スレート屋根材は最も多く使用されている屋根材で、塗装は定期的に必要ですが、比較的安価な事に加えて瓦の1/3の重さで大変軽量です。

　棟には換気棟を取り付けました。小屋裏への外気の取入れは軒天部分から行います。有孔板や換気口が主にその役割を担っています。小屋裏に籠ってしまった熱気は上部に集まるので換気棟から逃がすことが出来ます。

施工完了

　下地補強をした上でコロニアルクァッドへ葺き替えを行いました。 換気棟の設置によって小屋裏の通気性能の向上、室内の温度上昇を抑え結露予防にも繋がります。これで今回の屋根葺き替え工事は完了です。

　私達アメピタでは、今回の様な屋根葺き替え工事の施工実績が豊富にあります。葺き替えの費用は１㎡あたり約15,000円～承っております。詳しくは無料点検の際にお問い合わせ頂ければと思います。