　南足柄市塚原にお住まいのお客様より、軒天に茶色い染みがあり雨漏りが起きているのかもしれないとお問い合わせをいただきました。無料の点検をご依頼いただき、現地調査にお伺いしました。
　お客様にお話を伺うと、軒天の染みは少し前から起きており、徐々に拡大していったそうです。実際に現場を拝見したところ、確かに染みが2か所発生しておりました。原因を特定するべく、屋根に上がらせていただき調査を実施しましょう。
　屋根には瓦棒葺きという工法が使われておりました。勾配の緩い屋根に採用されることのある工法で、継ぎ目がないため雨漏りが起きにくいという特徴があります。しかし錆の発生や各部材の劣化はどうしても経年によって起きてしまいますので、しばらくメンテナンスを行っていない場合は雨漏りが発生してしまうことがあります。お客様のお住まいも築40年が経過しているということですが棟以外メンテナンスを行っていなかったそうです。
　調査の結果、雨漏りを解消するため屋根葺き替え工法をご提案し、工事のご用命をいただきました。田島ルーフィングさんの三星ロアーニⅡを使い、屋根の防水性を向上させていきますよ。

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容	屋根葺き替え
築年数	40年
施工期間	9日間
工事費用	詳しくはお問い合わせください。

　まずはお客様に染みが発生しているという軒天が確認できる場所までご案内いただきました。確かに2か所で茶色い染みが発生していることがわかります。原因特定のため、屋根に上がって調査をしていきましょう。

　お住まいの屋根には瓦棒葺き屋根が葺かれていました。屋根に一定間隔で取り付けられた棒状の部材が特徴的ですね。こちらは芯木と呼ばれる角材に金属板を覆い被せて釘で固定されたものですが、芯木が雨水を吸ってしまうと腐食してしまうため注意が必要です。

まずは瓦棒葺き屋根を調査

　屋根の頂上部に設置された板金を棟板金と呼ぶのですが、その棟板金が歪んでしまっていました。屋根の面同士が重なる部分を覆い、隙間を埋め風雨などからお住まいを守ってくれている部位です。屋根の頂上は雨や風等の影響を受けやすいため、棟板金が劣化、損傷しているとお問い合わせをいただくことも多いです。

　軒天に発生した染みの真上に当たる箇所には谷樋が設置されていました。左側の写真で、屋根の面と面が谷状になっている箇所がそうです。屋根の雨水を集め、軒樋（雨樋）へと排水するという役割を担ってくれています。
　近くで谷樋を確認すると、一部黒く変色している箇所がありました。雨水が滞留したことで、このように黒くなってしまったようです。さらに近くの芯木を見てみると、腐食していることがわかりました。触れるとボロボロと内部から芯木が崩れていきます。谷樋から流れてきた雨水が軒先に集まり、芯木の腐食を招いてしまったようです。

　続いて下屋根を調査していきます。下屋根とは一番上の屋根とは別に、玄関や1階部分に設置された屋根のことです。そこで、何ヵ所か錆が発生していました。
　調査を続けていくと、屋根が芯木ありの瓦棒葺きとなっている面と、芯木なし瓦棒葺きとなっている面の両方が混在していることが判明しました。一度増築をされたそうなのでその関係か、なにか意図があったのか、当時の職人に聞いてみなければわかりません。
　調査の結果、今回の雨漏りは谷樋と軒先から雨水が入り込んでしまったことによるものだと推測できました。見えない箇所でも雨漏りが進行している可能性も考えられ、築40年ということもあり今回は屋根葺き替え工事をご提案させていただきました。お客様とお打ち合わせをし、田島ルーフィングの三星ロアーニⅡを使用して屋根を一新する運びとなりました。

屋根葺き替え工事開始

　ここから施工の様子に入ります。まずは既存の屋根材や役物を撤去していくのですが、芯木なし瓦棒葺きが採用されている面から行っていきましょう。瓦棒を縦に、中心を電動工具で切り開いていきます。通し吊り子はスクリュー釘によって強く固定がされており、バールを用いて抜き取る必要がありました。
　なんとか一面を剥がし終えたので、次は防水紙や野地板を撤去していきましょう。そして清掃を行い、新しい構造用合板を敷設していきます。屋根葺き替え工事は屋根材だけではなく下地である「野地板」や、雨水から建物を守ってくれている「防水紙」も新しいものに取り換えますので、寿命がリセットされ、築年数の経過したお住まいではオススメな工法です。
　厚さ12mmの強度に優れた構造用合板を敷設後、タディスセルフ（防水紙）を張っていきます。

　軒先水切りやケラバ水切りの設置も行い、続いて芯木ありの瓦棒葺き屋根の撤去作業を行っていきましょう。芯木なしと違い、釘抜きで合羽を外せばあとは溝板を取り外すのみですので、芯木なし瓦棒葺きほど撤去に時間は要しませんでした。
　左側の写真から、芯木の端が黒く変色してしまっていることがわかりますでしょうか。雨水を吸い込んだ木材が腐食を起こし、このように黒く変色してしまったのです。

　芯木ありの面も既存部材撤去後、構造用合板を重ね張りし、タディスセルフを敷設していきます。防水紙の重ね代を十分にとり、丁寧に敷設をしたらこちらも軒先水切り等を設置しましょう。その後は今回雨漏りの原因にもなった谷樋の設置です。釘で谷樋を固定し、さらには釘穴から雨水が入り込むことのないよう釘頭にコーキングを充填し雨仕舞を行います。

　その後はいよいよ新規屋根材の敷設です。既存屋根材が緑色だったこともあり、お客様からは緑青の三星ロアーニⅡによる施工をご要望いただいておりました。三星ロアーニⅡは非常に軽量な屋根材のため耐震性に優れますが、軽量であることで、熟練の職人の腕もありみるみるうちに仕上がっていきます。ロアーニⅡは加工性にも優れるため、複雑な屋根形状と緩勾配の屋根への施工に向いています。

　大屋根（一番上の屋根）の新規屋根材設置作業が終わり、次は下屋根の施工に移ります。こちらも大屋根とほぼ同じ流れで葺き替え工事は進行していきます。ただ、外壁との取り合い部分があるため雨仕舞にはより一層注意を払わなければならず、実は大屋根よりも施工に時間がかかってしまうのです。
　外壁との取り合い部分では防水紙をしっかり立ち上げ、雨押え板金を取り付け、さらには上端にコーキングを充填することで雨水が入り込む隙を与えません。

　最後に棟納めをしてまいります。棟板金の下には貫板というものが設置されており、貫板によって棟板金が固定されています。しかしその貫板は木材であることが多く今回の芯木のように腐食してしまうことがあるのですが、今回は腐食に強い樹脂製の貫板を使用しました。貫板設置後、ＳＵＳ製ビスを使ってガルバリウム鋼板製の棟板金を取り付け、これで屋根葺き替え工事は完了となります。

三星ロアーニⅡへの葺き替え工事完了です

ドローンによる撮影写真

　ドローンによる屋根全体を撮影した様子です。雨漏りが起きてしまっていた瓦棒葺き屋根でしたが、屋根葺き替え工事によって綺麗な緑青のロアーニⅡへと生まれ変わりました。今回は緑青のカラーを選択しましたが、田島ルーフィングさんの三星ロアーニⅡはブラック、ブラウンも入れた3色展開となっております。施工費用は多くかかってしまいますが、高品質、高耐久でありランニングコストを抑えることができます。表面には天然砕石仕上げが施され、遮音性・遮熱性も備えているという優れものです。

　私達、アメピタでは屋根葺き替え工事、屋根カバー工事など屋根に関する雨漏り修理の経験が豊富にございます。使用屋根材や施工範囲によって異なりますが、葺き替え工事であれば税込み987,800円から承っております。無料で点検を承っておりますので、雨漏りにお困りの際はお気軽にお電話やメールにてご相談ください。

こちらの記事を書いた施工店【アメピタ横浜支店】

　アメピタでは、地域密着お客様第一主義を掲げ、お客様のご不安をいち早く解決できる為に出来る限り迅速に対応させて頂いております。
　雨漏りは、「屋根だけ」や「外壁だけ」など、単体の知識や経験だけでは止まらないケースがあります。アメピタでは、それぞれの専門的な知識に加えお住まい全体を捉え、雨漏りを止める知識と技術を持ち合わせております。
　雨漏りでお困りの時はアメピタ横浜支店にお任せください。