ビフォーアフター

工事基本情報

雨漏りは2階の居室内から

　お問い合わせをいただいた後、さっそく現地へお伺いさせていただきました。被害箇所の2階居室を拝見させていただくと、天井のクロスが雨水を吸ってブヨブヨに膨らんでおり、壁の化粧ベニヤも剥がれだしていました。

屋根裏から雨水の侵入経路を探ります

　雨水の侵入経路を特定するため、屋根裏へ上がらせていただきました。点検口が狭く苦労しましたが、何とか屋根裏へ上がることができました。屋根裏は高所かつ明かりもない場所となり、怪我をする可能性がありますので、決してご自身で上がろうとせず、我々プロにご相談ください。
　2階居室の真上へ移動すると、雨水が染みている部分を発見しました。屋根の面と面がV字にぶつかる「谷」と呼ばれる部位の真下です。居室内で雨漏りが発生したのは最近だが、実は屋根裏にはずいぶん前から雨漏りしていたというパターンが良くあるのですが、今回は木部に腐食などがありませんでしたので本当に最近発生した雨漏りのようでした。雨漏りの発見が遅れ、野地板などの腐食が進行してしまった場合、葺き替え工事などの大がかりな工事が必要になってしまうので、早期に発見できたことは不幸中の幸いでした。

サビが回り、穴があいてしまった谷板金

　雨水の侵入経路に目途がついたため、実際に屋根の上からの確認で原因箇所を突き止めます。屋根の谷部分には谷板金が設置されていました。上の画像で赤茶色に写っているのが棟板金ですが、塗装の色ではなく板金全体に回ったサビの色です。谷は屋根を伝った雨水が集約されて流れるため、サビなどの劣化が生じやすく、雨漏りの原因となりやすい箇所となります。よく観察すると、サビの影響から穴が空いてしまった箇所が見つかりました。こちらが雨漏りの原因とみて間違いないでしょう。
　お客様へ調査結果をご報告します。雨漏りとは関係ない部分で、瓦の漆喰の劣化なども見られましたが緊急度は低く、お客様からいただいた「できるだけ費用を抑えたい」というご希望を踏まえ、谷板金の交換工事のみをご提案させていただきました。

工事の様子

　まずは、谷板金を取り外すために周囲の瓦を剥がしていく必要があります。ところが、今回の屋根瓦にはラバーロック工法が施工されていました。画像の赤枠部分に注目していただきたいのですが、瓦にコーキングが施されているのがお分かりになるでしょうか。ラバーロック工法とは、瓦と瓦をコーキングで固定する工法で、震災などに強くなるという謳い文句でひと昔前に流行していた施工なのですが、率直に言うと改悪工事です。瓦がまとめて剥がれてしまったり、瓦のメリットである点検のしやすさも阻害する上、水捌けも悪くなってしまいます。メリットに比べてデメリットが多いため、今ではほとんど行われない工法です。もし、飛び込み業者などに施工を勧められても安易に依頼しない方が良いでしょう。
　瓦同士が接着されてこのままでは工事できないため、カッターで一つ一つコーキングを切り離していきます。また、屋根に設置されている太陽光パネルも一部が谷にかかっていたため、一時的に外させていただきました。

瓦を剥がしていきます

　無事に瓦を切り離せたら、工事に必要な範囲だけ瓦を剥がしていきます。この時、気をつけなければいけないのが、剥がした瓦がどこに葺かれていた瓦か分かるように管理しておくことです。瓦は、葺かれてる場所にピッタリと嵌まるように整形されています。剥がした瓦を適当に戻そうとすると、サイズや角度が合わず元通りに戻せないといった事態が発生するため、剥がした瓦全てに番号を振って、元の場所に葺き戻せるよう管理します。

谷板金を外すと、防水紙にも破れがありました

　必要な瓦を剥がし、谷板金を外すことができました。すると、板金の下の防水紙にも大きな破れがおきていました。実は数年前に瓦の葺き直し工事を行われていて、谷板金以外は防水紙を新しくしたが、谷板金に関しては工事されなかったようです。（上述したラバーロック工法もこの時に施工されたものです。）
　なぜ当時施工された業者は、一番雨漏りを起こしやすい谷板金を施工しなかったのでしょうか。当時、谷板金も防水紙を新しくしていれば、今回の雨漏りについても被害と費用を抑えられたであろうことを考えると、お客様がお気の毒でなりません。

防水紙と板金の設置

　古い防水紙を撤去し、新しい防水紙と板金を設置します。防水紙には30年以上の耐用年数を誇る田島ルーフィングのライナールーツを、板金には軽量でサビに強いガルバリウム鋼板を採用しました。板金と板金が重なる部分にはコーキングを打ち、隙間から雨水が侵入しないようしっかりと対策します。雨漏りを再発させないためにも、大事な工程です。

谷板金交換工事が完了しました

　剥がしていた瓦と太陽光パネルを元通りに復旧して、谷板金交換工事の完了です。サビで赤く変色してしまっていた板金が、綺麗に生まれ変わりました。工事後の雨天時、無事に雨漏りが止まったと、お客様からお喜びのご連絡もいただけました。

　私たち「アメピタ」では、税込み33,000円から雨漏り修理を承っております。雨漏りの状況や必要な工事の内容によって金額が変わってまいりますので、現地にて点検をさせていただいた後に詳細なお見積りをお出しさせていただきます。点検～お見積りの作成までは無料で承っておりますので、どうぞお気軽にお問合せ下さい。
　点検や工事にお伺いする際は、「マスク着用」「手指アルコール消毒」「ソーシャルディスタンスの確保」などの新型コロナウイルス対策を徹底してまいりますので、どうぞご安心下さい。