大棟に棟芯材(赤矢印)と呼ばれる部材を、屋根施工の初めの方で設置していました強力棟の上に乗せるように固定しながら置いておきます。この強力棟で棟芯材を固定するビス釘を打つための効きしろを作る役目を持っています。この棟芯材を入れていく施工工法は、2011年の東北大地震以降制定されました屋根工事屋さんのガイドライン工法として、大棟部の中に補強材を入れて耐震補強の観点で大棟部を揺れに強くする施工工法となります。
熨斗瓦を一枚ずつ積み上げていき、大棟を作っていきます。その際に、熨斗瓦一段ずつを熨斗瓦同士を針金で縛って、大棟の外側にはみ出し過ぎないように固定をしていきます。その昔は、大棟を熨斗瓦で積み上げる時に屋根土を使って施工していきました。最初の熨斗瓦を取り付ける時は、その屋根土をわざと天日で乾かして少し硬めの屋根土にしてから大棟で使いました。その後順々に、屋根土に水を加えて混ぜて柔らかくしていきながら、大棟を積み上げていきましたが、最近は、そのようなことが出来なくなっております。理由として・・・1.大量の屋根土が必要なため一度の搬入で2トン以上必要。2.それをトラックで運んでくれる運転手がいなくなってしまったこと。3.その大量の屋根土を置くような建物敷地がほとんど無いこと。4.乾かした屋根土を段々と柔らかくするのに技能が必要になるため。5.和風屋根の衰退により、その技能も受け継がれることも無く断絶してしまいました。6.今現在でこの様なことをするのなら、相当な高額お見積りとなりえます。その為、現在では屋根土代わりの南蛮漆喰(白色の土)をパッケージされたものを使用されています。固さの調整が出来ないため、昔に比べて熨斗瓦同士の針金固定をすることになりました。これ以上は、あまりのも屋根工事の超マニアックなお話となりますので、割愛させていただきますが、間違っても今の屋根工事屋さんが手を抜いた工事では無いことは伝えられます。むしろ、熨斗瓦同士の針金固定をすることによって、昔に比べて手間はかかっていると思います。
大棟部の2段目以降を、熨斗瓦を使って上段に積み上げていきます。一番上の段階まで、熨斗瓦同士の固定の針金を締めながら熨斗瓦を取り付けて行きます。
棟には鬼瓦がセットでついています。今回も切妻屋根のため、屋根の両サイドに鬼瓦が設置されています。鬼瓦の背中側に、設置固定の針金を縛るための穴が作られていて、その穴を通して屋根の野地板下の個体に対して針金先のビス釘を打ち込んでおきます。赤矢印の意味合いは、熨斗瓦を積み上げて行く時に鬼瓦の背中に付く感じで積み上げていきます。とは言え、隙間が開くものでありまして、昔の屋根施工での鬼瓦と熨斗瓦の隙間に屋根漆喰が塗られていました。ただ、その屋根漆喰も永久に持つものではなく劣化して剥がれてしまいます。その剥がれた隙間から、雨水が侵入して鬼瓦の固定用の針金を錆びつかせて劣化切断してしまい、鬼瓦の落下する原因となりえます。築年数があって古い鬼瓦で屋根漆喰も剥がれているのなら、一度は屋根点検を行った方が良いかと思います。近隣の屋根施工会社さんなどにご相談のお問い合わせをしてみてください。ちなみに、ここ最近の鬼瓦の固定に関しては、特に心配することはありませんよ。針金自体が、皮膜がついて錆びにくくなったことや、写真のような針金に養生テープを貼る施工者さんがいたり、鬼瓦と棟瓦の隙間にコーキングボンドを埋め込んでいくスタイルが流行っていますので、早々に針金が錆びて落下は考えにくいですね。
熨斗瓦を一段ずつ取り付けて行く時に、熨斗瓦同士を南蛮漆喰で塗りこんでいきますが熨斗瓦の上段表面まで綺麗に塗りこんでいきます。塗り込んでいくことによって、南蛮漆喰が乾燥して固くなった時に熨斗瓦へと接着効果が出て、熨斗瓦が固定されて崩れにくくなります。
鬼瓦の背高さより少し低い位置まで、熨斗瓦を取り付けてきたら大棟冠瓦を取り付けて行きます。基本的に、熨斗瓦の高さ段数は使用される鬼瓦のサイズによって、大体の段数は決まっています。あと、最後に取り付ける大棟冠(赤矢印)には、いくつかの種類があり屋根工事屋さんの方で使い分けていきます。
今回の作業に使われている、『江戸冠瓦(6寸丸)』
前回の現場ブログにも掲載した、屋根の両端にも流用できる『紐丸冠瓦(5寸丸)』
使用する鬼瓦の種類で使われます『伏間冠瓦(7×8,8×8)』
昔の和風の屋根瓦で、屋根形状が寄棟屋根の場合で隅棟部の冠で使用されていた『素丸冠瓦(5寸or6寸)』ただ、この『素丸冠瓦』を使用されている、築年数が経過していて寄棟屋根形状の隅棟部の場合は、雨水が侵入している可能性はありえますので、お早い屋根診断を依頼した方が良いかと思います。この冠瓦の形状なのか、施工した作業者の腕がひつようなのか、わりかしこの冠瓦を使われている屋根は雨漏りが多いかと考えられます。これ以外にも、沢山の棟冠瓦の種類はありますので、『写真とは違うからうちの屋根は大丈夫なのか?』と心配されるかもしれませんが特に大丈夫かと思います。
棟冠瓦に固定用のパッキン付きビス釘を打ち込んでいきます。パッキン付きビス釘を打ち込んで行く時に、棟作業の前段階で取り付けた棟心材までビス釘の先端が辿り着きます。ビス釘を絞めることで棟冠瓦が押さえられて棟の熨斗瓦全体に、固定圧がかかることになり大棟全体が崩れにくくなります。
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