和風の屋根瓦の場合、部位別に使われる屋根瓦の形状が少しずつ変わっています。そのため、形状が違うために定められて場所で、その場所に正しい屋根瓦を使うこととなります。屋根の先端部分でもある軒先部には、【万十軒瓦】と呼ばれる軒先専用の屋根瓦を取り付けて行きます。ちなみに、軒先瓦でも少しずつ形状が変わっているので、写真の軒先瓦だけしかないことはありえませんよ。
軒先瓦の正面部分には、軒先瓦の特徴でもある雨水が雨樋に流れやすいための【垂(たれ)】が付いております。大体の軒先瓦と呼ばれるものには、屋根瓦の正面部分に垂が付いているのが多いですね。
軒先瓦の上端部分から、爪が取り付けられております。この爪部分を、前準備で取り付けておいた桟木に引っ掛けるように、軒先瓦を置きながら横に一列に並べて施工をしていきます。屋根瓦で棟瓦と呼ばれるもの以外は、ほとんどの屋根瓦にはこの様な詰めが付けられており、屋根全体に桟木を打っておけばそこに引っ掛けながら屋根瓦を施工して行くことが出来ます。そのため、屋根の重量が増えてしまう屋根土を使わなくとも、屋根瓦が施工できるので屋根を軽量化する屋根リフォームには一番いい方法だと思います。
屋根の先端部分でもある軒先部に一列に並べて行った軒先瓦に、上端にある釘穴からビス釘を打って軒先瓦を固定しておきます。この釘穴には固定としてビス釘などを打ち込んで行きます。
しかし、これだけでは軒先瓦の固定では不足気味なのです。
軒先瓦の先端部分にも、釘穴をあけて長めのパッキン付きのビス釘を打ち込んで、軒先瓦を固定していきます。
軒先部に横一列に取り付けた万十軒瓦と、ケラバ袖部に取り付ける予定の場所でお互い交じり合うところに、写真の様な【角瓦】と呼ばれる屋根瓦を取り付けて行きます。切妻屋根での軒先部と、ケラバ袖部の交じり合う頂点部分に使われます。そのため、真四角の切妻屋根の場合、正面で2か所この角瓦が使われて裏側にも同様に二か所使われるため、全部で4か所だけしかこの角瓦は使われることは無いですね。
切妻屋根の両端にあるケラバ袖部でつかわれる専用の屋根瓦となりますが、それぞれ右側と左側に形状が変わったものが使われて行きます。右側で使われるのが【大袖瓦】とも呼ばれて、左側には【小袖瓦】と呼ばれるものを使って施工して行きます。ケラバ袖瓦の取り付けてして、先ほど取付けておいた角瓦から屋根の頂点部でもある大棟部に向かって一枚ずつ施工して行きます。施工の際は、下のケラバ袖瓦に重ねるようにケラバ袖瓦を取り付けて行きます。
屋根の先端部分の角瓦から、屋根の頂点部分でもある大棟際まで、ケラバ袖瓦を一枚ずつ取り付けて行きます。最後の頂点部分では、出来るだけ大棟の中心に来るように施工しておきます。今回の写真では、大袖瓦の方が撮影されていますが、勿論逆側の小袖瓦も取付けて行きます。大棟の中心にお互いの袖瓦同士が、出来るだけ大きな隙間が開かないように近づいて施工されています。
この様な感じで、切妻屋根の先端部分の軒先部と屋根の端側でもあるケラバ袖部に、新しい屋根瓦を取り付けて行きました。次回の現場ブログはこちらから読み進めますよ↓↓↓
『名古屋市港区にて二階建て建物の玄関がある庇屋根に新しい屋根瓦で屋根を彩ります』
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