大棟部に取り外した棟瓦の熨斗(のし)瓦を、取り付けて行きます。熨斗瓦を積み上げて行くのに、一番重要となる土台の一段目の熨斗瓦を取り付けて行きます。ここの熨斗瓦は、一枚物の熨斗瓦を両隣に並べて行きます。一列に並べたのし瓦同士を、針金を使って縛りながら緊結していきます。修繕工事の棟瓦の積み上げ作業は、1日~2日程度で全て積み上げる素早さが必要な工事になります。
そのため、のし瓦の接着で使用ている南蛮漆喰が乾かないので、熨斗瓦同士で引っ張り上げながら針金で緊結することは必要な工程となります。
二段目以降も熨斗瓦を、取り外した棟瓦で取り付けて積み上げて行きます。
二段目以降の熨斗瓦は、一枚物の熨斗瓦を半分に割ってから使用します。
熨斗瓦を半分にして使う理由としては、説明が長くなるため割愛しますが、2段目以降(寺社仏閣の場合は段数が違います)には半分のサイズにして使用します。
一段目の土台になる熨斗瓦の上に、二段目の熨斗瓦を施工するための接着で南蛮漆喰を置いておきます。その後、熨斗瓦を一枚ずつ横に一列並べて行きます。熨斗瓦を両側に取り付けたら、互いの熨斗瓦を縛って緊結するために針金を縛っていきます。
2段目の熨斗瓦同士を針金で緊結し終わったら、熨斗瓦同士の隙間に南蛮漆喰を塗っていきます。
南蛮漆喰を塗っていくことで、熨斗瓦同士が引っ付き合うようになります。
その後、3段目の熨斗瓦を取り付けて行きます。
2段目の施工方法と同様に、熨斗瓦を一列取付けて行き針金で縛り合ってから、間に南蛮漆喰を塗り込んでいきます。
その時に、縛り上げた針金に長めのサイズの針金を縛っておきます。
この長めの針金は、大棟の最上段に取り付けられる冠瓦に固定で縛るために、先に設置しておきます。
積み上げた棟の最上段に、冠瓦を取り付けて行きます。熨斗瓦を取り付けて行ったときに、半分のサイズで取り付けているので、真ん中部分が南蛮漆喰を塗ってはありますが隙間があります。そこに雨水が入らないように、棟の最上段に冠瓦で塞いでいきます。
冠瓦を一列に並べて行く時に、先ほど針金を縛り上げたのを冠瓦の釘穴から通して、冠瓦一本ずつ針金で縛っていきます。屋根上で材料などを置いておく足場板などを取り外した後で、掃除工具でもあるブロワーで吹き掃除を行っていきます。
ブロワーを掃除し終わった後に、雨水が入らないようにコーキングボンドを塗って塞ぎ作業を行っていきます。先ほどの冠瓦の釘穴にコーキングボンドを塗っていきながら、鬼瓦の背中部分と積み上げた棟が合わさるところには、施工上どうしても隙間が出来ます。その隙間を埋めて行くように、コーキングボンドを塗っていき隙間を埋めて行きます。
コーキングボンドの施工が終わったら、修繕工事は完了となります。
お客様に工事の完了を伝えてから、撮影した写真を見てもらいながら工事の内容をご説明させていただきました。
今後も、建物の上の樹木を全て切らない限りには、また落ちてくる可能性はあります。
ただ現在では、修復が終わったことでお客様も喜んでいました。初動調査の雨漏り点検から作業の流れまでを施工事例で紹介しています↓↓↓『名古屋市南区にて屋根に樹木が覆いかぶさる!折れた枝が瓦に落下!点検調査から修繕復旧作業』
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