木造住宅で雨漏りが起きやすい箇所とは?屋根・外壁・窓まわりの見落と しがちな原因と修理ポイント
2025年9月30日更新
「気づいたら天井にシミが広がっていた…」
そんな雨漏りのご相談を、築10年以上の木造住宅にお住まいの方から多くいただきます。
実は雨漏りは、屋根だけでなく外壁や窓まわりなど見落としやすい部分からも起こりやすいのです。
木造住宅で注意すべき雨漏りの箇所と修理のポイントを、雨漏り専門のプロが詳しく解説します。
木造住宅は築10年で雨漏りリスクが上昇
木造住宅にお住まいなら、雨漏りは特に心配なトラブルの一つ。
実は、さまざまな調査データから、家の築年数が進むにつれて雨漏りのリスクが高まることがはっきりとわかっています。
例えば、住宅あんしん保証の瑕疵保険事故データを見てみましょう。
建物事故全体のうち、なんと94.3%が「雨水の浸入(雨漏り)」に関するものだと報告されています。これは、住宅のトラブルの中で雨漏りが圧倒的に多い問題であることを示しています。
さらに気になるのは、「いつから雨漏りのリスクが高まるのか」という点です。
住宅相談統計年報(2024年版)によると、家が建ってから10年未満の段階で、不具合発生の相談割合が10.0%に上昇する傾向があります。
さらに、雨漏りの相談を築年数別に比較すると、築10年以内では5.9%だったのが、11~20年になると21.7%まで一気に増加するという結果が出ています。
つまり、「築10年を過ぎたあたりから、雨漏りのリスクがぐっと高まる可能性がある」という明確な傾向があるのです。
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターがまとめた「住宅相談統計年報2024」によると、電話相談の対象となった住宅のうち、約7割が木造住宅でした。
これは、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べても圧倒的に多く、日本の住宅相談の多くが木造住宅に関係していることを示しています。
だからこそ、築10年以上の木造住宅にお住まいの方は、まだ雨漏りが起きていなくても定期的な点検やメンテナンスを意識することが大切です。
それが、将来の大きな修理費用や被害を防ぐための賢い対策になります。
では、実際に木造住宅で雨漏りしやすいのはどんな場所なのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
木造住宅でよくある雨漏り箇所
屋根からの雨漏り
屋根は、家の中で最も強い日差しや雨風を受ける場所。同じ木造住宅でも、屋根材の種類ごとに劣化の進み方や雨漏りのリスクに違いがあります。
瓦屋根
耐久性は高く長持ちしますが、台風や地震で瓦がずれたり割れたりするとそこから雨水が入ってしまいます。
瓦そのものは丈夫で耐久性が高いものの、その下に敷かれた防水シートが傷むと雨漏りにつながります。
スレート屋根(コロニアル)
軽くて施工しやすく、日本国内で最も普及している屋根ですが、塗装が10年ほどで劣化してくるので、表面の防水性が落ちると雨水を吸い込みやすくなります。
金属屋根
サビや塗装の剥がれが進むと、板の継ぎ目や釘の部分から水が入ることがあります。
金属板が浮いてしまうとそこがすき間となり、雨水の入口になります。
陸屋根(平らな屋根)
おしゃれでモダンな印象をもつ平らな屋根ですが、水が流れにくく水たまりができやすいのが弱点です。
排水口が詰まったり防水シートが傷んだりすることで、雨漏りが一気に広がります。
屋根リフォームはガルバリウム鋼板がおすすめ!
ガルバリウム鋼板は瓦の約1/10と非常に軽いため、地震時の建物への負担を軽減し、ご自宅の耐震性向上につながります。
さらに、20〜30年以上と耐久性が非常に高く、錆びにも強いため、一度リフォームすれば長期的に雨漏りリスクを大幅に軽減できるのが最大のメリットです。
屋根の状態が良ければ、古い屋根の上から新しい屋根材を重ねるカバー工法も可能で、費用を抑えやすい利点もあります。
外壁のひび割れ
外壁もまた、雨漏りが起きやすい場所で、その原因は主にひびにあります。
外壁は防水塗料で保護されていますが、紫外線や風雨にさらされ続けると、塗膜が剥がれて細かいひびが入ってきます。
この外壁のひび割れは、深さによって危険度が異なります。
| ひびの種類 | 症状と対策 |
|---|---|
| ヘアークラック (表面だけの細いひび) |
外壁表面の塗膜にだけ入った細いひびで、すぐに雨漏りにはつながりません。 ただし、放置するとひびが広がるため、早めの補修が必要です。 |
| 構造クラック (深いひび) |
3mmを超える深いひびです。 外壁の表面だけでなく下地まで割れている可能性が高く、そこから雨水が直接入り込んで柱や梁を濡らしてしまいます。 緊急性の高い早急な修理が必要となります。 |
特にモルタル外壁はひびが入りやすい素材。定期的に外壁をチェックし、早めの補修を普段から意識して、大きな被害を防ぎましょう。
窓やドアのすき間
木造住宅では、窓や玄関ドアのサッシまわりも雨漏りの盲点です。
外壁とサッシの間には、ゴム状のシーリング材が使われています。このシーリング材が経年劣化でひび割れたり剥がれたりすると、そこが雨水の浸入路になってしまいます。
また、窓の下部には、本来水を外へ流すための「水切り」という部品が付いています。これが施工不良や劣化で機能しなくなると、逆に水を家の中に引き込んでしまうことがあります。
台風や横殴りの雨の日に、窓のサッシから水がにじみ出てくる場合は要注意です。放置すると、壁や床が濡れてカビやシロアリ被害につながります。
雨漏り修理に使える保険や補助金
「我が家の木造住宅、だいぶ古いし修理代が心配…」という方も多いでしょう。そこで気になるのが保険や補助金です。
火災保険は、火事だけでなく台風や突風、雹(ひょう)などの自然災害による被害にも使える場合があります。
ただし、保険が適用されるのは、あくまで自然災害による損害が原因であることです。
「台風で瓦が飛散した」「スレートが雹で割れた」といった被害は認められますが、単なる建物の老朽化が原因の雨漏りは対象外となります。
現在、雨漏り修理に特化した国の補助金はありません。
しかし、お住まいの自治体によっては、「住宅リフォーム助成金」や「省エネ改修補助金」などがあり、その対象工事に外壁や屋根の修繕を含められるケースがあります。
一度、お住まいの地域の制度を確認してみるのがよいでしょう。
→お住まいの地域で補助金・助成金を調べてみる(別窓)
家の中から分かる雨漏りのサイン
雨漏りは外からだけでなく、家の中にもサインとして現れます。これらの症状が見られたら、すでに雨水が内部に浸入している可能性が高いです。
天井や壁にシミがある
クロスが剥がれている、天井がたわんでいる
カビの黒ずみや嫌な湿った臭いがする
雨の日に「ポタポタ…」という水音がする
これらの症状は放置をせずに、早めに専門業者へ相談してください。
雨漏りを放置するとどうなる?
木造住宅の雨漏りを「まだ少しだから」と放置してしまうと、被害はどんどん広がります。
シロアリの発生
湿った木材はシロアリの大好物です。まさに木造住宅における天敵といっても過言ではありません。
シロアリに気付かず放っておくと、やがて柱や基礎が食い荒らされ、耐震性の低下を招き木造住宅そのものの寿命を縮めます。
まれに室内に「きのこ」が生えることがありますが、これは湿気とシロアリ被害がかなり進んでいる危険なサインなので、注意してください。
カビによる健康被害
建物内部の湿気が高まるとカビが大量に繁殖します。
カビの胞子を吸い込むことで、ぜん息やアレルギー症状が悪化するだけでなく、さらにカビを好むダニが増えることで、アレルギーの原因を倍増させてしまいます。
漏電からの火災リスク
雨水が電気配線やブレーカーに触れると漏電が発生します。感電の危険だけでなく、火災を引き起こす非常に危険な状態です。
家と家族の安全を守るための鉄則です。
木造住宅の雨漏り施工事例
傷んだ破風板・軒天を交換!木造住宅の雨漏りを防ぐリフォーム事例

築年数 20年 施工期間 2日 工事費用 25万
軒先や屋根の端にある「破風板」「軒天」。実はこの部分、雨や太陽の光にさらされ、とても傷みやすいんです。
ご紹介するのは、鴻巣市で行われたリフォーム事例。ボロボロになってしまった破風板などを撤去し、新しい板金でしっかり補修しました。
さらに、雨水が入り込まないよう、隙間にはコーキングを充填。見た目がきれいになっただけでなく、耐久性もグッとアップしました。
→詳しい記事はこちら
キッチンの天井に雨漏り発生!木造住宅のベランダ防水が原因だった

築年数 20年 施工期間 10日 工事費用 89万
「キッチンの天井から、ポタポタと水が落ちてくるんです…」
そんな切実なご相談を受け、急行した久喜市のお宅。原因は、真上にある築20年のベランダでした。
経年劣化で防水層にひび割れができていて、そこから雨水が浸入。大切な木造住宅の内部へと漏れ出していたのです。
被害が広がる前に、劣化した防水層をすべて撤去し、耐久性の高い防水材でしっかりと補修しました。さらに、雨染みで汚れてしまったキッチンのクロスも新しく張り替え、無事工事完了です!
→詳しい記事はこちら
ベランダ笠木が原因!木造住宅の窓から雨漏りが発生

施工期間 60日 工事費用 290万
沼津市にお住まいのお客様から、「窓から雨漏りがしている」とご相談がありました。
調査してみると、一見問題なさそうなベランダの笠木(手すり上部)から雨水が浸入し、木造住宅の窓周りに漏れ出していることが判明。
笠木を外してみると、内部の木材は腐食が激しく、ボロボロの状態でした。
今回は、腐食した部分をすべて撤去し、骨組みから新しく作り直す大掛かりな改修工事を行いました。
→詳しい記事はこちら
木造住宅の雨漏り、DIYで失敗しやすいポイント
木造住宅で雨漏りを見つけたとき、「自分で直せないかな?」と思う方も多いでしょう。ですが、雨漏り修理はプロでも苦労するほど難しく、DIYで完全に直すのはほとんど不可能です。
できるのは、あくまで応急処置までと考えるのが安心です。
DIYでよくある失敗は、原因を正しく突き止められないことです。
雨水は思わぬ経路を通って室内に出てくるため、「ここから漏れている」と思って補修しても、実は別の場所が原因だった、誤った場所を塞いでしまった、水の流れが変わって被害がさらに広がった、といったケースが多く見られます。
それから、屋根の上に登って作業するのはとても危険なため、やめてください。
仮に防水テープを使う場合でも、表面の汚れや油分をしっかり落とさなければすぐにはがれてしまいます。
つまり、雨漏りには正しい知識や経験がなければ長持ちする修理はできないのです。
木造住宅の雨漏り修理を業者に依頼する際のポイント
木造住宅の雨漏り修理は、必ず信頼できる専門業者に任せましょう。
先ほどもお伝えしたように、雨漏りの原因は複雑で、素人では特定が非常に困難です。原因を間違ったまま修理してしまうと、雨漏りがさらに悪化するリスクがあります。
業者に修理を依頼する際は、まずは原因調査を徹底して行ってもらうことが重要です。
調査方法には、目視以外に、水をかけて雨漏りを再現する散水調査や、建物の温度差で水の浸入経路を特定する赤外線(サーモグラフィー)調査などがあります。
依頼を検討している業者がいたら、以下の3つを必ず確認してください。
| チェックポイント | 確認する理由 |
|---|---|
| 雨漏り修理の実績があるか? | 施工事例や現場のブログなど、実績が載っている記事を確認し、経験が豊富かを見極めましょう。 |
| 複数の業者から相見積もりを取る | 費用だけでなく、提案内容や対応の信頼性を比較検討できます。 |
| 修理後の保証内容をチェックする | 万が一、修理後に再び雨漏りがあった場合の保証期間や範囲を確認します。 |
「費用が安い」という理由だけで業者を選ぶのは大変危険です。安すぎる業者には、手抜き工事や修理後の保証なしといったリスクが潜んでいるケースが少なくありません。
提示された費用と、その業者の信頼性を両方しっかり見極めることが成功の鍵です。
→アメピタの雨漏り施工実績をみる
→アメピタの現場ブログをみる
木造住宅の修理後のアフターケア
雨漏り修理が完了したからといって、これで終わりではありません。木造住宅を長く健全に保つためには、修理後のアフターケアが非常に大切です。
▼自分で出来る!予防のためのメンテナンス
| 対策 | 頻度・タイミング | ポイント |
|---|---|---|
| 定期的な点検 | 屋根は年に一度、外壁は季節の変わり目(梅雨や台風前など) | 屋根の点検は危険です。 必ず専門業者に依頼して安全にチェックしてもらいましょう。 |
| 雨樋の掃除 | 年に数回定期的に | 落ち葉やゴミが詰まると水があふれ、外壁を傷めたり雨漏りの原因になります。 水の流れを確保しましょう。 |
| 湿気対策 | 常に(特に雨の日や冬場) | 湿度が高いとカビや結露が発生し、建物を傷めます。 こまめな換気や、エアコン・除湿機で快適な温度・湿度を保つことが大切です。 |
修理後もこうした日々のケアを続けることで、家を良い状態に保ち、将来的な雨漏りを未然に防ぐことにつながります。
私たち「アメピタ!」は、雨漏り修理を専門とするプロ集団です。複雑な雨漏りも、これまで培ってきた技術で原因を特定し、最適な方法で確実に修理することを得意としています。
また、ご安心いただきたいのは、全国に加盟店が常駐している点です。
あなたの地元の気候や建物の事情をよく知る、地域に根付いた職人がご対応いたします。
「うちの木造住宅も一度点検してほしい」
「雨漏りでどこに相談すればいいかわからない」
このようなお悩みを抱えている方、まずは雨漏り修理のプロであるアメピタまでお気軽にご相談ください!
木造住宅で雨漏りが起きやすい箇所とは?
屋根・外壁・窓まわりの見落としがちな原因と修理ポイントのまとめ
木造住宅の雨漏りは、屋根や外壁、窓まわりなどさまざまな箇所で起こり得ます。
原因を正しく突き止めないと、一時的に直っても再発することが多く、DIYでは限界があります。
特に築10年以上のお住まいは、目に見えない劣化が進んでいるケースが多いため、早めの点検と専門業者への相談が安心です。
以下の点を心掛けることで、大切な住まいを長く快適に保つことができます。
・屋根・外壁・窓まわりなど雨漏りしやすい箇所の点検
・雨樋やサッシまわりのメンテナンス
・信頼できる業者による修理と保証の確認
「最近シミを見つけた」「天井から水音がする」など少しでも気になる症状があれば、まずはお気軽にアメピタへご相談ください。
大切なご自宅を守るために、専門スタッフが丁寧にサポートいたします。