2025年10月24日更新

「鉄骨造の建物は強くて頑丈だから雨漏りの心配はいらない」

しかし実際には、屋上や外壁のわずかな劣化から雨水が侵入し、内部の鉄骨を錆びさせて爆裂、といった大きな被害につながることも少なくありません。

本記事では、鉄骨造で起こりやすい雨漏りの原因とリスク、効果的な修理・予防方法を雨漏りのプロが徹底解説します！
個人住宅はもちろん、鉄骨造の多いビル、マンションのオーナー様や法人様にも役立つ内容です。

鉄骨造特有の雨漏りの特徴と影響

鉄骨造の建物は、その名の通り骨組みに鉄骨を使うため、強度や耐震性にとても優れています。
木造より長持ちし、マンションやビル、コンビニなど、身近な建物にも幅広く採用されているのはそのためです。まさに中間的な構造として、安心感と使いやすさを兼ね備えているのが鉄骨造といえるでしょう。

しかし、そんな鉄骨造にも見逃せない弱点があります。
それが雨漏りです。

しかも鉄骨造では、雨漏りがすぐに目に見える形で現れにくいという特徴があります。

雨水は外壁や屋上から侵入しても、すぐに室内に出てくるとは限りません。鉄骨やコンクリートの内部を伝い、思わぬ場所にシミや水漏れとして現れるため、原因を特定するのが難しくなるのです。

さらに厄介なのが、鉄骨が雨水や湿気にさらされることで発生する錆びです。
錆びは膨張して鉄筋コンクリートに圧力をかけ、やがて爆裂を引き起こします。

外壁材が剥がれ落ち、鉄筋が露出すれば、そこから一気に劣化が加速。最悪の場合、建物全体の耐久性を大きく損なう事態へとつながるのです。

鉄骨造のよくある雨漏り箇所

鉄骨造の建物は頑丈ですが、雨漏りの原因となる箇所はある程度パターン化されています。

特にビルやマンションなどで多いのが屋根と外壁まわり。ここを押さえておくだけでも、雨漏りのリスクをぐっと理解しやすくなります。

陸屋根・屋上

防水層の経年劣化

屋上を守るウレタン防水やシート防水は、紫外線・風雨・温度差によって少しずつ傷んでいきます。 ひび割れや塗膜の剥がれ、シートの硬化が進むと、防水の役目を果たせず、雨水が直接内部に入り込んでしまいます。

排水口周りの不備

屋上に溜まった雨水を流す排水口が詰まったり、接合部が劣化したりすると、ちょっとした隙間からでも雨水が浸入します。
排水溝が詰まると、雨が降った後も水たまりの状態が続いてしまい、雨漏りのリスクは一気に高まります。

パラペット（笠木）の劣化

屋上の外周に設置される低い壁（パラペット）の上部を覆う笠木板金も要注意です。
シーリングのひび割れや釘の浮き、板金の歪みなどから隙間ができ、そこが雨水の通り道となってしまいます。

外壁

ALCパネルの場合

軽くて断熱性に優れるALCパネルですが、水を吸いやすいのが弱点です。
防水は目地シーリングと塗装に頼っているため、どちらかが劣化すれば内部に直接雨水が侵入します。
二次防水がないため、トラブルがすぐ雨漏りにつながってしまいます。

タイル外壁の場合

高い耐久性を持ち、メンテナンス不要の外壁材とも謳われているタイル外壁ですが、目地の劣化が落とし穴です。
水が入り込むとタイルの接着が弱まり、浮きや剥落だけでなく下地への浸水も起こします。

コンクリートの場合

鉄筋の錆びによる爆裂や、地震や建物の動きで生じるクラックから雨水が入り込みます。
コンクリートだから安心とは限らないことを、念頭にいれておきましょう。

▼鉄骨造の種類と使用されている銅材

その他の浸水経路

鉄骨と建材の取り合い

外壁と基礎コンクリートの接合部も要注意ポイントです。
シーリングが劣化していると、接合部から水分がじわじわと浸入してしまいます。特に地面の高さが接合部より上の場合、常に雨水にさらされている状態となり、リスクは高まります。

鉄骨造の雨漏り特定方法

鉄骨造の雨漏り調査は、木造に比べて一筋縄ではいきません。
その理由は、雨水が鉄骨部材（デッキプレートやC型鋼など）を伝って横方向に広がるため、室内で雨漏りが見える場所と、実際の浸入口がまったく違う位置にあることが多いからです。

このため、鉄骨造では「勘」や「経験」だけでは原因を特定できません。
正確な診断には、専門的な知識と、散水試験などの高度な調査技術が欠かせないのです。

※調査方法をクリックでコンテンツに飛べます

鉄骨造の雨漏り修理の流れと費用

鉄骨造の雨漏りを直すには「どこから雨が入っているのか」原因を正確に突き止めることです。
原因によって修理方法も費用も大きく変わります。

それでは、代表的な修理方法をご紹介します。

防水工事

屋上防水の劣化が原因なら、根本的な解決には防水工事が必要です。
防水工事にはいくつか種類があり、平均費用は 約12,500円/㎡。

最も一般的なのはウレタン防水で、複雑な形状や凹凸にも対応しやすく、継ぎ目のない防水層を作れるのが特徴です。

下地の状態に応じて密着工法か通気緩衝工法が選ばれます。

→通気緩衝工法について詳しく

▼防水工事の種類と費用

改修用ドレンの設置

コーキング打ち替え

笠木補修（ブリッジ工法）

雨漏り修理は原因に合った工法を選ぶことが何より大切です。
無駄な工事を避けるためにも、しっかりと調査を行ったうえで最適な修理プランを検討しましょう。

鉄骨造の雨漏り施工事例

鉄骨造住宅でひび割れた柱とタイル外壁の補修 │ 工事費270万円

富士市の鉄骨造住宅で、雨漏りにより柱内部の鉄骨が錆び、外壁タイルにも被害が広がっていました。

散水試験で原因を特定し、鉄骨補修・外壁補修・塗装を実施。
外壁タイルの剥がれや目地の劣化は雨漏りの大きな要因となるため、早期対応が重要です。

→詳しい工事内容は「こちらの記事」でご紹介しています

鉄骨ビルの雨漏りで屋上をウレタン防水工事で解決！

沼津市の鉄骨ビルで外壁補修後も雨漏りが続き、屋上防水工事をご依頼いただきました。

既存防水を撤去せず改修できる、ウレタン防水の通気緩衝工法を採用し、短期間で耐久性の高い防水層を形成。
鉄骨造は雨漏りにより建物内部まで被害が及ぶため、屋上の劣化は早めの補修が重要です。

→詳しい工事内容は「こちらの記事」でご紹介しています

鉄骨でも油断禁物！春日井市で発覚したベランダ雨漏りの真実

一見きれいに見える壁の裏では、長年の雨水侵入で下地が腐りカビや苔がびっしり…。壁を剥がすと内部はボロボロで、軽量鉄骨住宅だったからこそ崩落を免れましたが、木造なら危険な状態でした。

新しい下地と防水紙を貼り直し、ウレタン防水でしっかり再生。見違えるほど美しくなりましたが、
このような被害は見えない場所から静かに進行します。
雨漏りのサインは見逃さず、放置せず、早めの点検で大切な住まいを守りましょう！

→詳しい工事内容は「こちらの記事」でご紹介しています

鉄骨造の建物は耐久性に優れていますが、雨漏りが発生すると内部の鉄骨が錆びて構造に大きな影響を与える可能性があります。
そのため、外壁補修や屋上防水、屋根リフォームといったメンテナンスは非常に重要です。

雨漏り放置による深刻なリスクとは？

鉄骨造の建物は「頑丈で長持ち」という安心感がある一方で、雨漏りが発生したときに症状が表面化しにくいという弱点を持っています。

天井のシミやクロスの浮きなど、目に見えるサインが出てきた時点では、すでに内部では雨水が広範囲に広がり、鉄骨やコンクリートがダメージを受けている可能性が高いのです。

つまり「気づいた時にはもう手遅れ」というケースも少なくありません。

鉄骨の腐食と「爆裂」の恐怖

鉄骨造の雨漏りで最も怖いのは、建物を支える鉄骨の腐食です。

外壁のひび割れや劣化したシーリングから侵入した雨水が鉄筋に届くと錆が発生します。やがて錆は膨張し、外壁材を内側から押し出し「爆裂」を起こします。

これは見た目が悪くなるだけではありません。鉄骨の強度そのものを弱め、最悪の場合は建物の安全性を脅かす深刻な状態にまで発展してしまいます。

二次被害の拡大

調査も保証も一貫して行える業者を選ぼう！

鉄骨造の雨漏りは原因特定が難しく、「修理しても直らない…」というケースも少なくありません。
だからこそ、調査から修理、保証まで一貫して対応できる業者を選ぶことが何より大切です。

さらに、複数の業者から相見積もりを取り、施工実績や保証内容を比較することで、費用面でも信頼性でも納得できる選択ができます。
火災保険の申請サポートに対応しているのか、リフォーム瑕疵保険の登録事業者なのかどうかも、見逃せないチェックポイントですね。

アメピタでは戸建住宅だけでなく、鉄骨造のビルや店舗、賃貸物件などオーナー様・法人様からの雨漏り修理のご依頼も多数承っています。
外壁補修や屋上防水、屋根リフォームなど幅広い施工に対応しており、これまでの実績を活かして建物の規模や用途に最適なご提案をいたします。

鉄骨造のメンテナンス方法

鉄骨造を長持ちさせるためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
特に、雨漏りのリスクが高い陸屋根の防水層や排水設備はこまめなチェックが必要です。

「鉄骨造だから安心」と思っていた方も、実際には放置が大きなトラブルを招くことを理解していただけたと思います。

アメピタは、工場・倉庫・ビルから住宅まで、あらゆる雨漏りを解決してきた確かな実績があります。
調査から契約、修理までワンストップ対応だから、余計な費用や手間もかかりません。

小さな雨染みも、重大な被害のサインかもしれません。
気になる症状がある方は、ぜひ今すぐアメピタにご相談ください！