名古屋市緑区の方より、『雨漏りがしている、天井が濡れていそうなので一度見に来てほしい』とご相談がありましたので、お伺いいたしました。
施工内容 |
- 雨漏り点検
- 瓦屋根補修(差し替え、ずれ・破損補修)
- その他板金補修・交換
- 漆喰工事
- その他
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築年数 |
築120年以上 |
施工期間 |
実働で11日ほど |
工事費用 |
約150万円ほど |
室内から、雨漏りを発見した屋根野地板裏地を撮影してみました。
(赤矢印)に当たる場所から雨漏りしてきたそうで、屋根躯体のタルキが長年の雨漏りで腐食していました。
屋根の方から雨漏りしている場所を確認してみました。
屋根には、珍しい『越屋根』という建物内に空気や太陽の光を取り込む、小さな屋根が屋根の上に付いていました。
現代の、換気扇と天窓の役割に似たようなものでしょうかね。
室内から越屋根がある上部を撮影してみました。
時間帯もありますが、光が取り込まれていて、古い建物とは言え室内全体が明るくなっていました。
古い建物だけあって、小規模の屋根修繕を何度も繰り返していました。
赤矢印先の1列だけ、年代が違う屋根瓦で修繕されていました。
修繕作業が、いつに行われたのかは不明ですが、修繕工事で屋根を触っていることがわかります。
赤矢印の部分が、屋根瓦同士の固定が外れて屋根瓦がズレ落ちしはじめていました。
年数が経過している屋根には、この様な状態になっていることも多々ありえます。
経年劣化による、屋根瓦が縦に亀裂が入って割れていました。
この様な亀裂の隙間から、雨水は侵入しやすくなってしまいます。
その他にも、割れた屋根瓦をコーキングボンドで応急処置を行っていました。
最近では、あまり見られなくなりましたが、昔の建物で入母屋屋根形状で、大棟から降ってくる『降り棟部』の先端の鬼瓦が無くなっていました。
点検作業後に、撮影した写真を見てもらいながら、住職にご説明させていただきました。
越屋根部分の横範囲のサイズで、越屋根から屋根先端の軒先部まで、古い瓦をめくり取り、新しい屋根瓦で葺き替えをした方がと、伝えさせていただきまして後日お見積書を作成してお届けに参りました。
作成したお見積書の項目通りで、修繕工事のご依頼をいただきました。
後日、お時間を頂きまして、今回の屋根の修繕工事の契約書として取り交わさせていただきました。
その後、屋根の修繕工事の段取りへと移りました。
丸い円を中心に、開いているスペースを使って仮設足場を設置します。
お客様よりは『生えている草木を踏んづけてもいいですよ』と言われていましたが、極力踏まないように仮設足場を設置していこうかと考えています。
仮設足場を設置する際は、最低でも2人一組で仮設足場を組んでいきます。
仮設足場を設置してくのに適当な仕事を行って、最終的に仮設足場が組みあがらなくなっては意味が無いので、お互いに寸法などを合わせて慎重に仮設足場を組んでいきます。
作業者が安全に昇り降りできる、専用の昇降階段を設置しておきます。
昇降階段があることで、作業者の皆さんも安全に道具や材料を持ちながら、安全に屋根の上に登ることが出来ます。
ただ今回のように、仮設足場の設置範囲があるからこの昇降階段を設置することが出来ましたが、近隣との境界範囲が無い場合は、この昇降階段は設置できない時もありえます。
赤矢印の範囲内の屋根を修繕していきます。
建築用語?古い言葉になってしまいそうですが、古い屋根瓦を屋根から取り剥がす言葉として、
『めくる(捲る)・めくり(捲り)』と呼称されています。
私はあまり【めくり(捲り)】と言う言葉は、この現場ブログには使ってきませんでした。
私がよく使っている言葉でもある
【取り剥がす】や
【取り除く】も【めくる】と言う言葉と同義語だと思ってください。
めくった屋根材などを下に降ろすための、屋根工事屋さん専用の運搬用・連結ハシゴを設置しておきます。
めくった屋根瓦などを、運搬用はしごの荷車に落ちないように積んでから、横からズレ落ちないように気を付けて下に降ろしていきます。
修繕工事範囲内の古い屋根瓦をめくってから、屋根土や杉皮材をめくりながら屋根の上段から掃除しながら降りてきます。
古い和風の屋根瓦を、葺き替えをしたり修繕工事をする際に、よく出る言葉で【杉皮材】の簡単な説明です。
昔の施工方法で、和風屋根瓦で『湿式工法』と呼ばれる工法があります。
難しい言葉を使いましたが、屋根土を屋根瓦の接着代わりで置いていく工法なのですが、その際によく屋根の野地板の上に防水紙代わりに使われていたのが、【杉皮材】となります。
この【杉皮材】を取り付けて行くのが、建物の躯体を取り付けた大工さんの方で【杉皮材】を取り付けて、【杉皮材】の上から屋根土を置いて屋根瓦を施工していくのが屋根工事屋さんの作業範囲となります。
ただ、時代時代に杉皮材の意味合いが無くなってきて、年々減ってきて今では杉皮材を取り付けて行ける大工さんも少なくなり、屋根土を使った屋根瓦の施工が出来る職人さんも少なくなっています。
それ以外にも、建築基準法や防火処置の観点から一気に衰退しましたね。
ただし、築年数が経過している建物には、普通に杉皮材を使った屋根は、まだまだ多いかと考えられます。
屋根材を掃除しながら、めくった屋根の範囲に新しい野地合板を取り付けて行きます。
ちなみに、赤矢印先の野地板が破損していて、ここから雨漏りの原因と考えられます。
屋根の先端に当たる『軒先部』から越屋根付近まで、新しい野地板合板を貼って行きます。
新しい野地合板を貼り終わりましたら、その野地合板の上から防水紙(ルーフィング)を重ねて貼って行き、雨が降ってきてもいいように防水紙(ルーフィング)で防水作業を行っていきます。
屋根瓦を取り付けて行ったときの高さなどが、正しい位置であるか平瓦を仮施工して確認していきます。
確認完了後、そのまま本施工として修繕範囲の屋根全体に、平瓦を施工していきます。
今回の修繕範囲の屋根瓦を、新しい和風の屋根瓦で一枚ずつ屋根全体に取り付けていきました。
今回の修繕範囲である、古い屋根瓦と新しい屋根瓦との間に隙間が出来てしまうために、冠丸瓦を使って隙間を塞ぎながら防水処理を行っていきます。
冠丸瓦を取り付ける際に、南蛮モルタル(屋根漆喰)を中に塗りながら、『高さ調整』と『冠丸瓦との接着効果』として冠丸瓦を一本ずつ屋根に取り付けて行きます。
屋根の先端になる軒先部分から、小さな屋根でもある『越屋根』が建っている屋根の上段付近まで、冠丸瓦を一本ずつ取り付けて行きます。
防水処理として冠丸瓦一本ずつに、針金を通した釘穴へコーキングボンドをすべて塗りこみました。
越屋根付近の壁際部と新しい屋根瓦との部分に、屋根漆喰(南蛮モルタル)を塗っておきます。
屋根漆喰を塗ることによって、越屋根付近の壁際部から雨水が侵入することを防ぎます。
越屋根付近の壁際部に、雨水を外側(屋根瓦の方へ)流す『水切り屋根板金材』を取り付けて行きます。
以前よりも、深く被せているために雨水が越屋根の奥の方に回りにくくなっています。
越屋根周りに取り付けた『水切り屋根板金材』の、取り付け接合部にコーキングボンドを塗りこみ防水効果を上げていきます。
降り棟部の鬼瓦が、いつの間にか落下して無くなっていました。
鬼瓦があることによって降り棟の熨斗瓦(のし瓦)が、重力による自然落下することが無かったのですが、鬼瓦が無くなっていることにより熨斗瓦(のし瓦)などが、少しずつ下に落ち始めていました。(赤矢印先)
熨斗瓦(のし瓦)のズレ防止のために、屋根漆喰を塗り固めて行きました。
これにより当分は、ズレ落ちて行くのを防げれるかと思います。
屋根道具や材料を降ろして、屋根全体を掃除を行ったら屋根葺き替え工事の完了となります。
工事完了後に、お客さまに作業中のスマホで撮影した写真を見ていただき作業の内容をお伝えさせていただきました。
お客様も、一部の屋根とは言え綺麗になって喜んでいました。
お客様にアンケートの用紙の記入のご協力にも、快くご協力いただきました。
こちらの記事を書いた施工店【アメピタ名古屋南店】
地元密着で瓦工事という雨漏りの専門家として営んできました。
住宅屋根の雨漏りに関しては勿論のこと、小規模な工事や住宅外壁、住宅の内装に関してもお気軽にお問い合わせください。
初動現地調査には、写真の私が責任をもってお伺いします。
なお雨漏りの原因究明に関しては、初動現地調査の際に判断しますが、場合によっては後日、私と雨漏り箇所の担当業者と再度お伺いして、細かくチェックを行った後に原因を究明したいと思います。
ぜひ一度、御見積り・現地点検調査無料のアメピタ名古屋南店にお気軽にご連絡ください!!
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